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ウチの最新の全方位パノラマ写真撮影機材全紹介(パノラママウント篇)


今週アタマからご紹介している、ウチの全方位パノラマ写真撮影機材のお披露目解説紹介シリーズも、今日で3回目。まぁ、御託並べてよくもまぁ喋ることあるなぁ、と自分でも感心します。でも今日でやっと折り返し。まだまだ暫く続きますので、お付き合いの程、宜しくお願いしますね。

前回までの記事は、こちら。

□ 2018/02/19: ウチの最新の全方位パノラマ写真撮影機材全紹介(カメラ篇) - Panoramania, DIARY
□ 2018/02/20: ウチの最新の全方位パノラマ写真撮影機材全紹介(レンズ篇) - Panoramania, DIARY


今日は、全方位パノラマ撮影に欠かせない「パノラマ回転雲台」のお話。漢字も多くて言いづらいので、ボクは"パノラママウント"とか呼んでますし、外国の方は"パノラマリグ"とか呼んでますね。ま、通じれば何でも良いんです(苦笑)

レンズとカメラが決まったのは良いのですが、どのような条件下で撮影するかで、このパノラママウントの種類を替えたりするのが、ボクらプロのパノラマ屋だったりします。

一般的には、2種類の固定方法が考えられます。
ひとつは、水平回転と垂直回転の2方向に回転する軸を持つ雲台にカメラを固定する方法(下図左)。
もうひとつは、レンズに専用リングを付け、そのリングに付いた台座で固定する方法(下図右)。

2軸回転マウントは、レンズやカメラを選ばず、様々な組み合わせの撮影機材を装着できる汎用性がウリです。ただし自分でNPP(= No Parallax Point|視差消失点)を探さないといけないのが面倒です。広角レンズや標準レンズを使った超高解像度パノラマが欲しい時には必ず使うマウントです。
レンズリングは、各レンズの固有値であるNPPが合うようにリング&スペーサーで位置を決めてくれますので、説明書通りに装着すれば、誰もがカンタンに全方位パノラマ撮影が可能になる優れもの。天面+底面の撮影にはコツが要るので、円周魚眼など画角の広いレンズではよく使われます。

ウチの場合、目線の高さや精度が必要な撮影では2軸回転マウントでの撮影が多いですが、普段気軽に持ち歩いての撮影や高所撮影などではレンズリングマウントを使うことが多いです。

レンズリングでポピュラーなのは、この3つのメーカーの各シリーズです。

□ 左: RingT - Agno's
□ 中: R Series - Nodal Ninja
□ 右: 360Precision Atome - 360Precision

左の伊Agno's社の「RingT」は、パノラマ撮影機材メーカーとして最初にレンズリングと高所撮影用ポールをリリースしたメーカーで、ボクも2007年に導入して以来ずっと愛用しているメーカーです。

右の英360Preision社の「ATOME」は、一番最初にGoogleのお店フォト用公認マウントに選ばれた機材です...が、経営管理がけっこう杜撰で、購入商品の到着がかなり遅れたり商品そのものに欠陥があったり、何かと曰く付きのメーカーでもあります。政治力もありますし、商品アイデアは悪くないだけに、いつもいつも、勿体ないんですよね〜。

中の米Nodalninja社は、ボクが知る限りで"世界で一番使われているパノラママウント"のメーカーだと思っています。開発力もずば抜けていて、資金力もあり、着実な進化をこれからも約束してくれる信頼たり得るメーカーです。主力商品の2軸回転マウント「Nodal Ninja」は、今ではver.6まで行ってますが、ほぼ無名の頃の最初のバージョン「‎Nodal Ninja SPH-1」をボクはリアルタイムで購入して持っています。なかなかのコレクターっぷりでしょ!(笑)2011年の東日本大震災直後の被災地撮影プロジェクトの際の活動資金および機材スポンサーに手を挙げてくれました。未だに感謝してもしきれません。

ウチのショッピングサイト「Panoramania, STORE」で取り扱っているメインブランドが「Nodal Ninja」ですので、今回もNodalNinjaで揃えてみようと思います。そこは余り悩みませんでした。IVRPA会員の10%ディスカウントも使えますし。

Nodal Ninja - パノラマ専用ハードウェア - Panoramania, STORE


で、今回の購入ポイントは、なんと言っても、このレンズが生かせるマウントを構築すること。名作レンズと呼び声高い「Canon EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」を生かすために、どうやったらスマートに撮影出来るか、そればかりを考えていました。

そこで考えたのが『レンズリングを2軸マウントに直接付ける』という方法です。
なので購入する商品は、下記の2セットになります。

□ 左: Nodal Ninja M1-L w/RD16-II
□ 右: Lens Ring for Canon 8-15mm F4 Fisheye V2 (EF Mount)
(リンクはPanoramania, STOREの各商品ページです)

で、これが大失敗!

先の被災地撮影プロジェクトの際に、NodalNinjaから「R1 w/RD5 アジャスタブルチルトセット」とSIGMA10mm用のレンズリングを提供いただきました。それがとっても使いやすくて、今も普段使いはコレを使っています。
このSIGMA10mmのレンズリングは、クランプで絞めるだけの簡単構造なので、NPPは決まりつつも、割とどの位置でも止めることが出来るため、一般的にはレンズを縦位置に置くレンズリングの固定を、斜め60°にして使用しています。こうすることで対角魚眼レンズの特性である対角方向に180°分得られる画角を鉛直方向に見ることが可能になります。こんなちょっと裏技的な使い方が出来る、結構柔軟性の高いレンズリングだったので、今回のも同じような使い方をしようと思っていました。

それがですよ!

そもそも8-15mmF4Lは、一般的な単焦点レンズに付いているフォーカスリングやAF/MF切換ボタンの他に、ズームリングや10mmロックまで付いている、装備品がゴチャゴチャ付属しているレンズでもあります。なのでレンズリングを付ける際には、スペーサー側にそれらを回避するための溝や穴がしっかり付けられていて、レンズリングの位置はほぼ決定されてしまっていました。
R1/R10/R20などがある「NodalNinja Rシリーズ」は起立形状の筐体の上部にアルカスイス互換マウントが用意され、そこにレンズリングのマウント部を差し込む方式を採っています。レンズリング撮影時に最適化された撮影ポジションを保つため、レンズリング装着時のレンズは縦位置一択に固定されています。

レンズリングのマウント位置がレンズの縦位置の底辺にあたる場所に置かれているということは、レンズリング装着時のレンズを2軸回転マウントの垂直回転台座に直接取り付けたら、レンズは横位置になるという体たらく。しかもカメラそのものがひっくり返るというオマケ付き!回転方向を逆にすればカメラはひっくり返りませんが、今まで慣れ親しんだ方向に、回したいじゃないですか、やっぱり(苦笑)

しかも、これで全方位撮影しようとしたら『水平4回転+天面+底面+仰角45°x4回+俯角45°x4回』と、とっても面倒な撮影工程になっていましす。さすがにそんな無駄な作業はしたくないので、この案を却下して、素直に2軸回転マウント「M1L」の垂直回転アームにカメラを取り付ける方法に切り替えます。あ〜あぁ、良い案だと思ったのになぁ。

ちなみに、レンズリングはそのまま付けてます。
10mmロックを解除して8mmまでめいいっぱい広角ズームを拡げて使えば、ボクの手持ちのR1にそのまま使えますので。


さて、変な工夫はせずに正攻法で組んでいこうと思います。
(一応、アクセサリー類の解説は明日しようと思っているので、今日は割愛しますね)

ところで、今回はNodalNinjaを選びましたが、実はアルカスイス互換マウント系のモジュール式パノラママウントは、幾つかのメーカーから出ています。

(左から順に、1〜4)

結局は、今までも使ってきたNodalNinjaを選んだワケですが、実のところ、他の三者とも非常に興味深かったです。Novoflexの頑強な水平垂直兼用L字ロッドはカッコイイですし、Sunwayfotoのスタンダード感はお見本にしたいです。そして日本では販売ルートが未だに無いRRSのこの垂直ロッドの下部固定機構はウズウズします!(笑)将来的には、残りの3つともぜひ入手したいです。

とりあえず、サクっと組んでみたんですが、まさか...の、困ったことが出てきました。

カメラ装着に際して自由度も欲しいと思い、M1Lのスイングロッドにはクランプがバンドルされてますが、別売りのアルカスイス互換のクランプも購入していました。それで取り敢えず普通に組めるだろうなと思っていたら、まさかの事態が出てきました。

まずは、ロッドにクランプを付けた状態を見て下さい。

右がバンドルのクランプ、左が別売りのクランプです。
両方とも、ロッドの内側にクランプを付けようとすると、ネジが邪魔になるんですよ。右のクランプの円形ノブはモロにぶつかります。左のクランプはレバーがうまく半回転で回せれば、ロッドに掛からずに奥にも入れられるんですが、運悪くダメでした。

従ってデフォルトのクランプをロッドの端に付けてカメラを装着して、垂直回転座に嵌めてみたら...今度は、もっと酷い現象が起こってしまいました。なんと、ロッドの端がレンズの前面より飛び出てるんです。それも数ミリという誤差レベルではなく、とんでもなく飛び出てるんです。

この状態で全方位撮影&スティッチしてみたら、PTGuiProのマスク機能を使えば、スティッチ出来ることは出来ましたが、いちいち潰さないといけないので、面倒です。NodalNinjaには、オプションパーツとして、アルカスイス互換のレールプレートの短いモノが用意されていました。M1Lにバンドルされてるレールプレートの型番は「MFR-210」つまり210mmのレールです。別売りのは「MFR-170」つまり170mmのレールプレートです。これを後日注文して、改めて嵌めてみたら、仕立てたみたいにピッタリでした!(笑)

それで組んだセットがこちら。一昨日から紹介してますが、改めて載せますね。


この機材のオブジェクトVR(水平6面/鉛直5面)はこちら。
360x180° Spherical photo shooting system 2018 (Panoramania Inc.)

レンズ+カメラ+パノラママウントという主要機材の紹介が終わりましたが、実はこれらを組むために様々なアクセサリーを使っています。そんな細かい"部品"について、明日は語っていきます。

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明日もお楽しみに!



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