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システィーナ礼拝堂の壁面フレスコ画をフォトグラメトリーで超美麗VR化

今年の春ぐらいからボク自身も、実写VR画像の新たな技術として「フォトグラメトリー(Photogrammetry)」に着目し、制作技法について様々なドキュメントを物色してました。すると巷もどうやら同様の動きがあるようで、このブログでも幾つかご紹介して参りました。

何たってボクらは、視点が撮影地点のみで、そこから左右上下360x180°全方位を見渡すだけで、1ミリも前後に動くことが出来ないことが本当にジレンマでした。Googleストリートビューのように、膨大な撮影データによって疑似ウォークスルーは可能だとしても、結局それっぽく動いているだけで、従来の全方位撮影技術ではウォークスルーは夢のまた夢の技術でした。

実は数年前からフォトグラメトリー技術そのものは知っていました。しかし、リアルタムレンダリングのためのCPU/GPUパワーがその当時では満足なスペックではなく、ポリゴン数が少なかったり画質が悪かったりで、納品物というには余りにもお粗末な代物しか出来ないので、諦めていました。

しかし昨年ぐらいから、高品位フォトグラメトリーデータの再生が可能なスペックのCPU/GPUが登場し、もしかしたら多くの人たちが作れる時代になるのではないか、と思い始めた次第です。

THETA Z1により、10年前のDSLR+魚眼レンズによる全方位パノラマ撮影クオリティがワンショットで撮影可能になったことで、これから10年ぐらいの静止画の実写全方位VRコンテンツの技法としては、

  1. ワンショットカメラによる低解像度全方位写真
  2. ミラーレスカメラ+広角/望遠レンズ+モーターマウントによるギガピクセルパノラマ全方位写真
  3. 3Dレーザースキャナー+高解像度画像データによるフォトグラメトリー

に向かっていくのではないかと思います。
制作コストも、ちょうどヒト桁ずつ上がる感じなので、それぞれの専門分野に特化するもよし、全方位コンテンツのセンスを活かした全てをカバーするもよし、でしょう。

とにかく、「ウォークスルー出来る」という旧来の全方位パノラマ写真屋の夢のような技術が手に入る時代になったことで、今から勉強して技術習得するのは、悪くないと思いますよ〜!


さて、そのフォトグラメトリー技術で作られた美麗な高品位実写VRコンテンツは、実は余り良い作品がありませんでした。そこにきてようやくお見本的な作品がリリースされます。

昨日まで開催されていたCG技術の祭典「SIGGRAPH 2019」で発表されていた作品は、バチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂の室内をフォトグラメトリー技術で完全3DCG化し、ウォークスルーするだけでなく、近づいたら音声ガイドが流れるなど、空間全体を自由自在に動き回ることが出来る、実写VR屋の目標と言える作品に仕上がっています。


Il Divino: Michelangelo's Sistine Ceiling in VR - Presentation - SIGGRAPH 2019


IL DIVINO - Michelangelo's Sistine Ceiling in VR
http://www.sistinevr.com/

システィーナ礼拝堂といえば、ミケランジェロ作の壁面フレスコ画が天井を埋め尽くしていることが有名ですね。約500平米の天井に「天地創造」「アダム・イヴと楽園追放」「ノアの洪水」のエピソードを中心に、聖人、巫女、ユダ王国の王たち、キリストの先祖たちなど、300人を超える人物が描かれています。

その天井画を含む礼拝堂の全方位全ての屋内写真データを、15年かけて撮影されてきた高解像度データを使って90の4Kマップを構築しました。圧倒的な画質と縦横無尽に空間を動ける快感に、酔い溺れそうになるのではないでしょうか?
また、ミケランジェロ自身の足場やバチカンの保守用足場に足を踏み入れることで、通常なら近づくことすら出来ずフレスコ画のディテールを知ることは非常に困難でしたが、高精細画像データをマッピングすることにより、筆遣いすらも理解出来るほどまで近づくことが、このVR作品では可能です。

元々は、SIGGRAPH2017で発表された「Il Gigante: Michelangelo's David in VR」で、同じミケランジェロのダビデ像を3D
スキャナーを使ったフォトグラメトリー技術でVR化した作品が元技術になっているそうです。その時は巨大ですが1つのオブジェクトモデルの3D化ですが、今回は規模が違い難易度も非常に高くなったことは想像に難くありません。

開発にはUnrealEngineが使われており、視聴環境は「Valve Index」に最適化されています。

SIGGRAPHで公開された作品からさらにアップデートが今後予定されており、年内にはSteamVRで無料の教育素材としてリリースされるそうです。
今から体験するのが楽しみでなりません。「フォトグラメトリーのお見本」となる作品でありますように!

〈参考サイト〉
システィーナ礼拝堂の天井画をすべて掲載! ミケランジェロ入魂の名画の全貌 - 新・ノラの絵画の時間

〈ネタ元〉
Photogrammetry Capture Brings Michelangelo's Sistine Ceiling To Life In VR - VRScout
ミケランジェロの天井画を高精細にVR化、年内に無償公開 | MoguraVR News - VRの「いま」を掘りだすニュースメディア



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